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荒草会日報

世界樹の迷宮5 長き神話の果てリプレイ。基本畳むけど独自設定とネタバレ注意。

皇帝ノ月 1日① やってきました、アイオリス

天気の良い朝だった。石畳のアイオリスの街では昼も夜も冒険者が闊歩する足音が絶えないが、陽の光とともにその音たちもぐっと増えたようだった。 
「よいこらしょ〜」
街外れの坂で、ミッコが掛け声とともに路盤より一段高くなった石垣にリュックを上げる。
「……ミッコさんや、おばあさんになっとんで……」
すかさずアフロから突っ込みが入った。いつも通りえへへ、と照れくさそうに笑うミッコとともに、とりあえず一息入れることにしたアフロは隣にリュックを置いてうんと伸びをする。
「大きい街やなあ」
「ほんとですね〜」
坂から見下ろす景色に故郷を離れたことを実感する。もう、ここは草原ではないのだ。風には土草の香りが混ざっているものの、慣れ親しんだ故郷のものではない。石畳をわたるこの香りは、樹木の幹や葉のものがうんと強く立っている。ちょうど街を挟んで反対側の、巨木という言葉では到底足りない樹木ーー世界樹からの風だからだろう。
「あれが世界樹かぁ…」
「大きいですね〜……いや、あれですよ!?大きいのは知ってましたよ!?ほら、思ったよりも大きいっていうか!!」
アフロのどことない哀れみの視線を感じ、ミッコは求められてもいない蛇足をつけ加えた。

 

***

 

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